スキルの進化 - ファンダメンタルからアドバンスへ | グレイシーバッハ 徳島 公式サイト|ブラジリアン柔術・護身術・格闘技道場


マットの端に座って生徒がスパーしているのを見ていた時のことです。
一緒にいたのは古流柔術黒帯のBJJ初心者でした。
スパーしている1人は、相手を圧倒しようとしていましたが、
莫大なエネルギーを費やして膠着状態に陥っていました。

私は古流柔術出身の生徒にスパーの感想を聞きました。
彼はパスしようとしている人が同じことを繰り返していた為に、
ガードを越えることができなかったと語りました。

私は同意しましたが、よりシンプルに考えました。
つまり彼は1種類しかパスガードを知らなかった為に
全てのシチュエーションでそのやり方を強行したのです。
「ハンマーしか持っていない人は、すべての問題がクギに見える。」
そこで我々は柔術の原理についてさらに議論をしました。
宮本武蔵の五輪の書にもあるように理解には段階があり、
事柄を順次経験していかないと次の段階には進めないというのが私の見解です。


1)各ポジションのファンダメンタルのテクニックを習得することに焦点を当てる

生徒の体力がつき、クラスのやり方に慣れてき始めた白帯の期間は、
柔術のトレーニングで最もエキサイティングな期間です。
どのクラスでも、問題を解決するために必要な解決策である新しいテクニックを学びます。
道場に来るたびに、新しいパズルのピースをみつけるでしょう。
ここでの目標はポジショナルヒエラルキー(各ポジションの階層)を理解することです。
そうするとスパー中のどのような状況であれ自分の現在地を特定することができるようになります。
各ポジションではコントロールやエスケープなど強固なテクニックを身につけて下さい。
グレイシーバッハのカリキュラムではファンダメンタルクラスの中でこれらの状況に役立つテクニックを学ぶことができます。

2)正しい力学
一般的なテクニックを学んだ後は、テクニックの仕組みや力学に焦点を当てる必要があります。
スソを持ったパスの時、相手の脚を大まかに掴んで乱暴に振り回し抑え込もうとする、
その代わりにズボンの掴み方をより緻密にし、相手のドウギのたるみをなくすようねじります。
相手の腰の動きを殺すために体重を使って相手の脚をピン止めして下さい。
しっかりズボンをコントロールできるとエビで戻されるのを防ぐことができます。
このようにテクニックの仕組みを理解することで技術効率は高くなります。


3)テクニックのオプションを持つ

数ヶ月から1年の練習を積むと柔術の主要な各ポジションそれぞれで少なくとも1つの選択肢を持っているでしょう。
本能とパワーの代わりに、練習ではテクニックを利用することができるようになります。

柔術で最もクールなことの1つは、膨大な数のテクニックと、そのバリエーションです。
以前に言及したように
「ハンマーしか持っていない人は、すべての問題がクギに見える。」
そこでここではハンマーの数を増やします!

ガードポジションには多くのバリエーションがあります。
(クローズ、バタフライ、デラヒーバ、スパイダーガード、Zガードなど)
ファンダメンタルが身につけば、バリエーションを探索することができます。
新しいテクニックを学ぶ意欲を弱めないで下さい。
黒帯は知識の数も深さも両方持ち合わせています。

4)組み合わせとカウンター
限定スパーで利用可能なテクニックのオプションを理解することが最初のステップです。
初期の段階では、相手より知識があるだけで勝てることが多いかもしれません。

流れの中に個々のテクニックを入れることができるようになるのはこの学習段階です。
「私の相手がこうするタイミングで、この技を合わせるのはどうか?」
「このテクニックを使う為にはどうやってその展開に相手をもっていけばいいか?」

経験を積んだ練習生には、まっすぐ単一の攻撃をしても防御されます。
成功させるためには第1の攻撃をフェイトに使い、
気を散らしてから第2に攻撃でとるといった手法が必要となります。

5)基本に戻りより深く学ぶ
私が話している上級者(紫色以上)の大半は難しい技術を色々試した挙句結局、
ほとんどが白帯の初心者の頃に学んだ基本的なテクニックに戻っていたと言います。

私は茶帯時代の課題が2つありました。
1つは自分の苦手分野を克服すること、もう1つは基本に戻ることです。
毎回の練習でこれらを意識すれば技術の精度は黒帯のレベルに近づくはずです。

紫帯ぐらいになれば知識レベルは黒帯と遜色ないと言われます。
では紫帯と黒帯の違いは何かというと技術の深さや奥行きといった部分です。
「腰を少し横に動かし、襟を少しだけ深く握ってください」
こういう基本的なテクニックのディテールの積み重ねが黒帯のレベルに引き上げます。
柔術の学びが一周して元に戻って来たと言えるでしょう。

Credits: Mark Mullen
GB Black belt from GB Calgary, Canada
Twitter: @MarkMullenBJJ